日本に女性管理職が少ない理由

日本は諸外国に比べて、女性の社会進出が遅れているとされています。男女間の格差は、仕事のみならず、政治や経済、教育などあらゆる分野で根強く残っています。世界経済フォーラムが発表している「ジェンダーギャップ指数」では、2024年度の調査において、日本は148カ国中118位と、世界最低レベルの水準にとどまっています。

女性の社会進出を阻む要因としては、長時間労働や転勤が多い日本の雇用慣行、出産や育児と仕事の両立の難しさ、そして「男性は仕事、女性は家庭」という昔ながらの性別役割分担意識が残っていることが挙げられます。

結果、女性管理職の登用は妨げられており、厚生労働省の2023年度の調査では、女性管理職の割合は全体の約12%と、非常に低水準である実情が明らかになりました。そこには、男性社会が築かれている日本の社会構造も大きく関係しているといえるでしょう。日本では、企業の管理職や、政治家、経営者など、トップに立つ人の多くは男性が占めています。当然ながら、社会のルールを決める意思決定の場に女性が少ない、もしくはいない状況となっています。それにより、女性の社会進出を進める施策が後回しにされる傾向にあり、これが女性にやさしい社会が実現しない元凶といっても過言ではありません。

すべての女性が安心してキャリアアップを果たし、社会で活躍していくには、女性管理職を増やす取り組みが欠かせません。そのため、国を挙げて、女性が働きやすい職場環境を整備する必要があります。長時間労働の是正や、柔軟な働き方ができる制度の導入は早急に行うべきです。また、育児休業や介護休業の取得促進、子育て支援制度や介護支援制度の拡充などにも、より力を入れることが大切でしょう。